国税庁による査察の概要

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令和5年度 国税庁査察の概要

2024年6月に、国税庁が公表した「令和5年度査察の概要」について、かいつまんで解説します。

国税庁査察制度って何をするの?

国税庁の査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、正しい税金の納め方を守るためのものです。公平な税負担を確保するために、彼らは日々、厳しい調査を行っています。

税務署が行う税務調査とは別です。

2023年度の注目ポイント

告発件数など

2023年度には、101件の事案が検察庁に告発されました。総額は約89億円にも上ります。1件あたり平均約8,800万円の脱税が行われていたことになります。

告発された事案の67%が実際に起訴に至りました。

脱税手口に対する厳しい対処

国税庁『令和5年度 査察の概要』より抜粋

「実際にキャッシュアウトがされていて契約書などが存在すれば税務上認められる費用になる」と誤解している人もいますが、実態が伴っていなければそれは「費用」ではなく「貸付金」認定され、脱税とされます。

「形式」ではなく「実態」が大切です。

すべてが有罪判決に

2023年度に裁判にかけられた83件のうち、全てが有罪判決を受けました。

そのうち9件では実刑判決が下され、最も重いケースでは懲役6年となっています。

不正資金の使い道

脱税犯が不正に得たお金は、高級車の購入や暗号資産への投資、ギャンブルに使われたり、飲食費といった使途が多いそうで。

隠し場所は天井裏や蔵の木箱、銀行の貸金庫などが使われたそうです。

国税庁が特に力を入れた事案

消費税の不正受還付

消費税の控除制度を悪用して不正に還付を受ける事例が多く、27件が告発されました。

無申告

所得を隠して申告しない事例が16件告発されました。

アフィリエイト事業者やタトゥースタジオ経営者が多く見られたそうです。

国際事案

海外の仕組みを利用して税を逃れる事例が23件告発されました。

社会的影響の大きい事案

インターネットでの転売やペットブリーダーによる架空の経費計上などです。

参考元情報

r05_sasatsu.pdf (nta.go.jp)

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