\ 契約前にサービス内容や料金を確認! /
インボイス記載要件と帳簿記載要件
インボイス制度下において仕入税額控除を提供するための要件として、原則として以下の2点があります。orではなくandです。
- 「インボイス(請求書など)に記載すべき事項」が記載されているか
- 「帳簿に記載すべき事項」が記載されているか
インボイス制度がはじまって前者に関する情報が溢れかえっていますが、本コラムではあらためて後者を復習したいと思います。
- インボイスだけでなく「帳簿にも法定事項がしっかり記載されているか」が大切。
帳簿の記載要件(課税仕入れの場合)
相手方の氏名または名称
これもクラウド会計まかせにしていると帳簿に記載されないため、場合によっては手動で摘要欄などに入力する必要があります。
取引先名簿が備え付けられていること等を条件として、正式名称(ABC株式会社)ではなく略称(ABC)で記載することもOKです。また、取引コードなど記号や番号で代用することもOKです。
なお、「氏名又は名称」の記載そのものを省略できるケースがありますが、税理士のなかでもどのような場合にこのケースに該当するのか理解を誤っている方が散見されます。このケースに当てはまるのは条文を読む限り、以下の全てに該当する者です。
- 「国税庁長官が指定する者から受ける課税資産の譲渡等」に係る課税仕入れである
- 「不特定多数の者から課税仕入れを行う事業」に係る課税仕入れである
「不特定多数の者から何かを購入する事業」とあります。これに該当するのは古物営業を営む人や再生資源卸売業を営む人です。つまり、ほとんどの方には無関係です。
課税仕入れの相手方については、その「氏名または名称」を帳簿に記載することとされていますから、例えば、個人事業者であれば「田中一郎」等と、また、法人であれば「株式会社鈴木商店」等と記載することが原則です。
ただし、正式な氏名または名称およびそれらの略称が記載されている取引先名簿が備え付けられていることなどにより課税仕入れの相手方が特定できる状況にある場合には、例えば「田中」、「鈴木商店」のような略称による記載であっても差し支えありません。
また、飲食店であれば「日比谷食堂」、フランチャイズのコンビニエンスストアであれば「ABチェーン霞が関店」のような屋号等による記載であっても、電話番号が明らかであること等により課税仕入れの相手方が特定できる場合には、正式な氏名または名称の記載でなくても差し支えありません。
No.6497 仕入税額控除のために保存する帳簿および請求書等の記載事項|国税庁
(仕入税額控除に係る帳簿及び請求書等の記載事項の特例)
11-6-1 法第30条第7項《仕入税額控除に係る帳簿及び請求書等の保存》に規定する課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等に関して同条第8項第1号及び第2号《仕入税額控除に係る帳簿》並びに、令第49条第4項《仕入明細書等の記載事項》及び同条第6項《卸売り等に係る一定書類の記載事項》に規定する記載事項のうち、次のものは、取引先コード、商品コード等の記号、番号等による表示で差し支えない。ただし、表示される記号、番号等により、記載事項である「課税仕入れに係る資産又は役務の内容」、「特定課税仕入れの内容」及び「課税資産の譲渡等に係る資産の内容」について、その仕入れ又は資産の譲渡等が課税仕入れ又は課税資産の譲渡等かどうか、また、当該資産の譲渡等が課税資産の譲渡等である場合においては、軽減対象課税資産の譲渡等かどうかの判別が明らかとなるものであって、(1)に掲げる記載事項を除き、取引の相手方との間で、表示される記号、番号等の内容が明らかであるものに限るものとする。(平9課消2-5、平27課消1-17、令5課消2-9、令6課消2-13により改正)
(1) 法第30条第8項第1号イに規定する「課税仕入れの相手方の氏名又は名称」、同項第2号イに規定する「特定課税仕入れの相手方の氏名又は名称」、同項第1号ハに規定する「課税仕入れに係る資産又は役務の内容」及び同項第2号ハに規定する「特定課税仕入れの内容」
第6節 仕入税額の控除に係る帳簿及び請求書等の記載事項の特例|国税庁
2前項第1号に規定する国税庁長官が指定する者から受ける課税資産の譲渡等に係る課税仕入れ(同号に掲げる場合に該当するものに限る。)のうち、不特定かつ多数の者から課税仕入れを行う事業に係る課税仕入れについては、法第30条第8項第1号の規定により同条第7項の帳簿に記載することとされている事項のうち同号イに掲げる事項は、同号の規定にかかわらず、その記載を省略することができる。
消費税法施行令第49条第2項
- クラウド会計やClaudeまかせだと記載されない可能性もある。
- 一定の場合には略称の記載でもOK。
- 一定の場合には記号や番号の記載でもOK。
行った年月日
これは「課税仕入れを行った年月日」ですので、「支払った年月日」ではありません。
会計ソフトを使用していると、後者の日付で取り込まれているだけということもあるため、注意が必要です。クラウド会計やClaudeに丸投げの場合、正しく記載されていない可能性が高いと思われます。
課税期間の範囲内で一定期間分の取引について請求書等をまとめて作成する場合には、その請求書等に記載すべき課税仕入れの年月日については、その一定期間でよいこととされています。
これには、例えば、電気、ガス、水道水等のように継続的に供給されるもので、一定期間ごとに供給量を検針し、その結果により料金を請求するという取引の場合が該当しますが、このような取引に係る請求書等に基づいて帳簿を作成する場合には、課税仕入れの年月日の記載も同様の記載で差し支えありません。
また、例えば、同一の商品(一般的な総称による区分が同一となるもの)を一定期間内に複数回購入しているような場合で、その一定期間分の請求書等に一回ごとの取引の明細が記載または添付されているときには、帳簿の記載に当たって、課税仕入れの年月日をその一定期間とし、取引金額もその請求書等の合計額を記載することで差し支えありません。
なお、一定期間とは「○月分」という記載でも差し支えありません。
No.6497 仕入税額控除のために保存する帳簿および請求書等の記載事項|国税庁
- クラウド会計やClaudeまかせだと記載されない可能性もある
資産または役務の内容
これは必ず摘要欄に手入力しなければなりません。クラウド会計やClaudeに丸投げの場合、正しく記載されていない可能性が高いと思われます。
細かく記載するというよりは、「食料品」など一般的な総称でまとめて記載することでも問題ないようですが、「お品代」などはNGです。形あるものはすべて「お品」であり、内容が不明瞭であるためです。
請求書等に記載されている課税仕入れに係る資産または役務の内容が一品ごとの詳細なもの(例えば、鮮魚店の場合であれば、「あじ○匹、いわし○匹、──」というような記載)であっても、帳簿には商品の一般的な総称でまとめて記載するなど、申告時に請求書等を個々に確認することなく仕入控除税額を計算できる程度に記載してあれば差し支えありません。
ただし、課税商品と非課税商品がある場合(例えば、ビールと贈答用ビール券)には区分して記載する必要があります。
また、商品が軽減税率の対象品目である場合にはその旨を記載する必要があります。軽減税率の対象品目である旨の記載については、請求書等と同様に、軽減税率の適用対象を示す記号(「※」や「☆」など)等の記載をする方法がありますが、この他に税率区分欄を設けて、税率や税率コードを記載する方法もあります。
(参考)
「課税仕入れに係る資産または役務の内容」の記載例
・青果店………野菜、果実、青果または食料品
・魚介類の卸売業者………魚類、乾物または食料品
No.6497 仕入税額控除のために保存する帳簿および請求書等の記載事項|国税庁
一回の取引で、複数の一般的な総称の商品を2種類以上購入した場合でも、例えば、建設会社が文房具と雑貨を購入したときのように、それが経費に属する課税仕入れである場合には、課税仕入れに係る資産または役務の内容として、「文房具ほか」、「文房具等」と記載することで差し支えありません。
ただし、課税商品と非課税商品がある場合、標準税率対象商品と軽減税率対象商品がある場合には区分して記載する必要があります。
No.6497 仕入税額控除のために保存する帳簿および請求書等の記載事項|国税庁
- クラウド会計やClaudeまかせだと記載されない可能性もある
- 一定の場合には、「食料品」など一般的な総称でもOK
支払対価の額
消費税込みの支払対価です。これは会計ソフトを使用していれば通常は気にする必要はありません。
レシートを保存していればOK?
国税庁公式HP情報の限りでは残念ながらNGです。「帳簿に法定事項を記載するのは面倒だから、レシートをしっかり保管しておけばいいだろう」と考える方もいそうですが、消費税法においてはこれは認められないようです。
法人税法では、法定事項を帳簿に記載することに代えて、それらの記載事項の全部または一部が記載されている取引関係書類を整理・保存すること(帳簿代用書類)を認めていますが、この帳簿代用書類は、仕入税額控除の要件とされる帳簿には該当しません。
したがって、帳簿代用書類が保存されていても、消費税の仕入税額控除のための帳簿については、記載すべき事項の全部または一部が欠落していることになりますから、「帳簿および請求書等の保存」があるとは認められないことになります。
ただし、帳簿代用書類のうち、課税仕入れの相手方から受け取ったものは通常「請求書等」に該当すると考えられますから、申告時にその書類を個々に確認することなく仕入控除税額を計算できる程度に課税仕入れに関する法定事項が帳簿に記載されていれば、その書類と帳簿を保存することで仕入税額控除の要件を満たすことになります。
No.6497 仕入税額控除のために保存する帳簿および請求書等の記載事項|国税庁
- 「レシートは保存しているから帳簿への記載は省略」というやり方は原則としてNG
記帳は単純作業ではなく…
ここまで読んで頂けた方はお分かりかもしれませんが、「記帳」は税法上の要件を満たすための行為でもあるため、「数字と日付を転記する単純作業」ではありません。
クラウド会計やClaudeまかせにしていると、税法上の要件を満たしていない帳簿が出来上がっているかもしれません。弊所では正統派の税務に拘るようにしていますので、「単純作業」と「税法上の検証が必要な工程」を切り分けております。ご不安がある場合はご相談ください。
ご自身の会計や税務について、「自分の場合はどのように進めるべき?」とお悩みの方は、まずは弊所サービス内容をご確認いただき、無料WEB面談をご予約下さいませ。
\ サービス範囲や料金を契約前に確認! /
当サイト内の情報をご利用を以て、以下へご承諾とさせて頂きます。
- 当サイト内の情報は正確性等を高めるよう努めておりますが、その内容に対して何らかの保証をするものではございません。
- 当サイト内の情報(第三者から提供された情報も含む。)をご利用頂いたことにより損害等が生じた場合でも、当サイト管理者は一切責任を負いかねます。
- 当サイト内のコラムは弊所の私見です。
- 当サイト内のコラムはその執筆時点における法令等の情報に基づき整理したものです。必ずご自身で最新の法令等の情報をご確認下さい。
- 当サイト内の情報の無断転載等は固く禁じます。
