簡易課税制度の法人。税抜処理を採用した場合の経理について解説|澁谷税理士事務所

目次

消費税計算と経理処理

消費税計算(税務)と実際の経理処理(会計)は、慣れていればなんてことないですが不慣れだといまいち何をやっているのかよくわからない分野です。

今回は、簡易課税と税抜経理をピックアップします。

税抜経理方式を選択適用した場合の経理処理

事業者がすべての取引について税抜経理方式を選択適用した場合には、課税売上げに対する消費税等は仮受消費税等とし、また、課税仕入れに対する消費税等は仮払消費税等とします。簡易課税制度を適用している事業者の仕入控除税額は、その課税期間の課税標準額に対する消費税額にみなし仕入率を掛けて計算した金額とされますので、簡易課税制度による納付すべき税額と、上記の仮受消費税等の合計額から仮払消費税等の合計額を控除した金額とは一致しません

そこで、この一致しない差額は、次により清算します。

なお、いずれの場合も、清算する時期は差額が生じた課税期間を含む年または事業年度です。

(1)仮受消費税等の合計額から仮払消費税等の合計額を差し引いた金額より簡易課税制度を適用した場合の納付すべき消費税等の額が少ない場合には、その差額を雑収入として総収入金額または益金の額に算入します。

(2)仮受消費税等の合計額から仮払消費税等の合計額を差し引いた金額より簡易課税制度を適用した場合の納付すべき消費税等の額が多い場合には、その差額を雑損失として必要経費または損金の額に算入します。

国税庁HP『No.6513 簡易課税制度の適用と経理処理』より抜粋

会計上の消費税額 > 税務上あるべき消費税額 であった場合(上記↑の(1))を例に解説します。

未払消費税等(会計上) < 消費税計算によって算出された納付税額

X4年3月31日決算整理仕訳

仮受消費税2,000,000仮払消費税850,000
仮払消費税(中間納付)700,000
未払消費税等450,000

期末決算整理仕訳で上記の仕訳を計上しており、「税務上のあるべき状態(消費税計算の結果算出された納付税額)」が449,900だったとします。

「会計上の未払消費税等450,000」の方が多い場合です。この状態を「税会不一致」と呼びます

この場合、差額の100は法人税の申告書上で申告調整(会計上の状態と税務上あるべき状態とのギャップを埋める)をします。

X4年3月31日終了事業年度の法人税申告書

以下のようになります。

項目名①期首②減算③加算④期末
消費税差額100100

X4年5月25日納税時の仕訳

未払消費税等450,000現金預金449,900
雑収入100

この雑収入100は、X4年3月31日終了事業年度で確定しているので、X4年3月31日終了事業年度の法人税申告に取り込む必要があります

だから↑で100加算調整しています。

そして、翌期(X4年5月中)に消費税を納税することとなりますが、当然、100ずれてしまいます。この100は、1期遅れて収益計上することになります。この時点で、「会計が税務に追いついた(税会が一致した)」ため、法人税の申告書上も調整します。

X5年3月31日終了事業年度の法人税申告書

項目名①期首②減算③加算④期末
消費税差額100100

決算整理仕訳に取り込んでしまうと楽

以上のような面倒でややこしいことをやりたくないという場合、X4年3月31日決算整理仕訳を以下のようにしてしまうと、法人税申告書上で調整が生じなくて済みます。

仮受消費税2,000,000仮払消費税850,000
仮払消費税(中間納付)700,000
未払消費税等449,900
雑収入100

これをやるために必要なのは、消費税の税額計算を早く終わらせて、「税務上あるべき消費税額449,900」を、会計仕訳として計上してしまうことです。

そうすると、差額の100も会計上計上される(=当期純利益の中に含まれている)ので、わざわざ法人税申告書上で調整する手間が省けます。

参考元情報

No.6513 簡易課税制度の適用と経理処理|国税庁 (nta.go.jp)

消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて|国税庁 (nta.go.jp)

消費税法等の施行に伴う所得税の取扱いについて|国税庁 (nta.go.jp)

その他参考コラム

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