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資金繰り管理は対処療法ではなく予防
身も蓋もない結論をはじめに書きますが、資金繰り悪化している時点で、取れる選択肢は限られます。
資金繰り管理は、「そもそも悪化状態に陥らないようにするための予防」であって、資金繰り悪化後に何か魔法のような手段で改善させるものではありません。
「悪化してから誰かに相談すれば何とかなるだろう」という甘い考え方を捨てましょう。経営は「悲観的に計画し、楽観的に実行」するものです。
- 資金繰り悪化後に事後的に採れる魔法のような打開策はない。
資金繰りが悪化する要因
入金と出金のタイムラグ
ほとんどの業種では、「納品してからその1~2か月後に売上代金を入金してもらう」「外注して納品してもらってからその1~2か月後に支払う」のように、締め日から遅れてキャッシュが出入りします。
そのため、たとえば売上代金の入金がたまたまゼロの月に、多額の支払い期日が到来した場合、資金ショートに陥ることになります。これが一般的に言われる「黒字倒産」(利益は出ているが倒産してしまう)の原因です。
・現在4月、手元キャッシュ700万円
・売上代金900万円が7/31に入金予定
・外注費×5つ=1,200万円の支払期日が4/30
この場合、4月末に資金ショートが生じることになります。
粗利が足りていない
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売上高 | 1,000 |
| 変動費 | ▲400 |
| 粗利 | 600 |
| 固定費 | ▲500 |
| 借入金返済 | ▲200 |
| キャッシュ | ▲100 |
売上-変動費=粗利 ですが、この粗利から各種固定費を賄い、さらにその後に借入金の返済や設備投資資金、税金はどを支払うことになるため、粗利が足りていないと当然に資金ショートに陥る確率が上がります。
この表では粗利が600に対して、その後に支払う固定費が500となっており危険信号です。
これはたとえば単価が異常に安い、そもそも売れていない、高く仕入れているなど、本業の経営に何か根本的な問題があるケースが多いため、経営者としてビジネスモデルそのものを早急に見直す必要があります。こればかりは資金繰り管理でどうにかできることではありません。
【変動費】仕入や原価になる外注費、案件に連動する旅費交通費など。
【固定費】役員給与や従業員給与、法定福利費、事務所賃料、水光熱費など。
資金繰り悪化後に取れる選択肢
具体的な選択肢
- 得意先に対して売上代金の入金を早めてもらう交渉
- 外注先や従業員に対して支払いを待ってもらう交渉
- 金融機関へ相談
- 固定資産を売却する
魔法のような対処療法はない
どれもかなり苦しい選択肢です。④以外は相手次第であり、自分でコントロールできることではありません。
つまり、資金繰り悪化に陥っている時点で非常に危険な状態ということです。資金繰り管理をおこなう目的は「そもそも悪化状態に陥らないようにすること」ですので、特に創業期の経営者の皆さまは注意しましょう。
資金繰り悪化しないようにする予防策
資金繰り管理表を作る
人に見せるためのものではないため、立派な資料を作る必要はなく、ご自身で分かればそれで充分です。手帳にキャッシュ残高と簡単な予測をメモしてみる、程度でも立派な資金繰り管理です。
会計ソフトの機能として「キャッシュフローレポート」というものがありますが、これは過去のキャッシュのレポートであるため資金繰り管理表とは異なります。資金繰り管理表とは、向こう数カ月間の未来のキャッシュの状況を可視化したものであるため、会計ソフトとは別個で作成する必要があります。
くれぐれも資金繰り管理のために何か高度なITシステムを組んだり、高価な経営管理ツールサブスクリプションを契約してしまうことの無いように注意しましょう。Excelで十分です。
弊所でも顧問先さまからご要望があれば、資金繰り管理表フォーマットをお渡しし、やり方をレクチャーしています。
【キャッシュフロー計算書(レポート)】過去のキャッシュ状況に関する情報をまとめたもの。
【資金繰り管理表】未来のキャッシュ状況の予測をまとめたもの。
普段から信用を積み上げる
「商売では信用が大切」とよく言われますが、①~③が成功するかどうかは、普段から商売人としての信用をコツコツ積上げてきたかどうかにかかっています。
普段から誠実な仕事をしていれば得意先(顧客)から売上代金の入金を早めてもらえるかもしれませんし、普段から外注先への支払いを支払期日より早く支払ってあげて一度も期日遅れがなければ、いざというときに支払の後ろ倒しに協力してもらえるかもしれません。
逆に信用を失う行為ばかりしていると、いざというときに利害関係者から総スカンを食らうことになるかもしれません。
【外部の取引先からの信用】
- 外注先への支払期日が何度も遅れている。
- 得意先からのクレームに真摯に対応していない。
【社内からの信用】
- 社長が接待交際費など無駄遣いばかりしている。
- グレーな経費を計上している。
【金融機関からの信用】
- 節税ばかりして利益が少ない。
- グレーな経費を計上している。
- 税理士のレクチャーを無視してしまいペナルティを課せられている。
ご自身の会計や税務について、「自分の場合はどのように進めるべき?」とお悩みの方は、まずは弊所サービス内容をご確認いただき、無料WEB面談をご予約下さいませ。
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