本コラムでは事務処理規程の使い方について解説しています。
全体像
「電子取引データ」の保存要件
①改ざん防止措置を施す
②検索性を確保する
③可視性を確保する
の3つがありますが難解なのは①です。
本コラムでは①にフォーカスして解説してゆきます。
改ざん防止措置の施す方法
方法
『電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】令和5年6月』の問27にて、以下のいずれかの方法が掲げられています。
- 「タイムスタンプ付与済データ」を受領する
- 受領者側で「速やかに」タイムスタンプを付す
- データの訂正削除をおこなった場合に、その記録が残るシステム(又はそもそも訂正削除自体ができないシステム)を介してデータの授受及び保存をおこなう
- 訂正削除の防止に関する事務処理規定を策定・運用・備え付けする
どの方法にするかは事業者が自由に選択でき、また、複数の改ざん防止措置を使い分けることも認められています(一問一答の問28)。
状況ごと
電子取引の種別 | 想定される方法 |
請求書等のPDFなどをメールで受領 | 1、2、4 |
HP(Amazonなど)から請求書等のPDFなどをダウンロード 又はHP上に表示される請求書等をスクショ | 1、2、4 |
電子請求書等の授受ができるクラウドサービスを利用 | 3 |
クレカ利用明細データや交通系IC支払データ等を活用したクラウドサービスを利用 | 3、4 |
事務処理規定も作成しておく
結論として、セイフティネット代わりに4の方法(事務処理規定の策定・運用・備付)もやっておくことをおすすめします。
改ざん防止措置の要件については、「タイムスタンプが付与されているのかどうか」とか「記録が残るシステムなのかどうか」「タイムスタンプの付与はどうやるのか」「送信者側でタイムスタンプが付与されているのかどこから確認するのか」など、素人が日々の業務の中で即座に判断できるわけがないです。
無限に時間をかけることができたり、資金力のある大企業であったり、システムに精通している従業員がいるなどの状況であればともかく、通常は難しいでしょう。
マネーフォワードやfreee、弥生会計など大手の会計ソフトメーカーであれば、「電子帳簿保存法に対応」と謳っているので問題ないと思われますが、これらのソフトをメインで使うとしても、仮に何らかの事情でこれらの会計ソフトシステムへのアップロードが漏れている電子取引データがあった場合のために、4の方法も併せておくと良いでしょう。
事務処理規定の例(サンプル)
以下の国税庁HP「電子取引に関するもの」のところにサンプルが掲載されています。
参考資料(各種規程等のサンプル)|国税庁 (nta.go.jp)
参考元情報
00023006-044_03-5.pdf (nta.go.jp)
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