返品・値引・割戻・割引の違い。会計処理と消費税、注意点を解説|澁谷税理士事務所

返品、値引、割戻、割引など、何となくこれらの言葉を使っている方も多いと思いますが、税法上これらは区別されているので要注意です。

目次

整理

最初にまとめると以下の通りとなります。

種別説明会計処理
返品商品などを返品すること仕入又は売上から控除
値引品違いや品質などを理由に代金を安くすること仕入又は売上から控除
割戻
(リベート)
一定期間に多量または多額の取引をしたことに伴い、
予め決めた金額分安くすること
仕入又は売上から控除
割引支払期日より前に入金があったことで代金を一部免除すること仕入割引又は売上割引として営業外損益に計上

返品・値引・割戻の会計処理

自分が売上側だったとします。

売上げたとき

売掛金550,000売上500,000
仮受消費税50,000

返品・値引・割戻したとき

普通預金539,000売掛金550,000
売上10,000
仮受消費税1,000

割戻(リベート)の税務上の注意点

割戻があったときの会計処理は前述の通りですが、税務上はこれが交際費として認定されるリスクがあります。

そうなった場合、一定の要件に該当すると、税務上の費用(経費)として認められなくなります。

割戻方法結論
金銭で支出交際費等ではない
(割戻)
事業用資産を交付交際費等ではない
(割戻)
おおむね3,000円以下の少額物品を交付交際費等ではない
(割戻)
3,000円超の物品の交付交際費等
旅行・観劇に招待する交際費等
その他
(売上高や売掛金の回収高に比例していないなど)
交際費等
(売上割戻し等と交際費等との区分)

61の4(1)-3 法人がその得意先である事業者に対し、売上高若しくは売掛金の回収高に比例して、又は売上高の一定額ごとに金銭で支出する売上割戻しの費用及びこれらの基準のほかに得意先の営業地域の特殊事情、協力度合い等を勘案して金銭で支出する費用は、交際費等に該当しないものとする。(平6年課法2-5「三十一」、平30年課法2-8「一」により改正)

(注)

1 「得意先である事業者に対し金銭を支出する」とは、得意先である企業自体に対して金銭を支出することをいうのであるから、その金額は当該事業者の収益に計上されるものである。

2 得意先である事業者において棚卸資産若しくは固定資産として販売し若しくは使用することが明らかな物品(以下「事業用資産」という。)又はその購入単価が少額(おおむね3,000円以下)である物品(以下61の4(1)-5までにおいて「少額物品」という。)を交付する場合(その交付の基準が上記の売上割戻し等の算定基準と同一である場合に限る。)におけるこれらの物品を交付するために要する費用についても同様とする。

(売上割戻し等と同一の基準により物品を交付し又は旅行、観劇等に招待する費用)

61の4(1)-4 法人がその得意先に対して物品を交付する場合(61の4(1)-3(注)2の場合を除く。以下61の4(1)-4において同じ。)又は得意先を旅行、観劇等に招待する場合には、たとえその物品の交付又は旅行、観劇等への招待が売上割戻し等と同様の基準で行われるものであっても、その物品の交付のために要する費用又は旅行、観劇等に招待するために要する費用は交際費等に該当するものとする。ただし、物品を交付する場合であっても、その物品が少額物品であり、かつ、その交付の基準が61の4(1)-3の売上割戻し等の算定基準と同一であるときは、これらの物品を交付するために要する費用は、交際費等に該当しないものとすることができる。(昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」、平30年課法2-8「一」により改正)

国税庁HP より抜粋

割引の会計処理

売上げたとき

売掛金550,000売上500,000
仮受消費税50,000

割引したとき

普通預金539,000売掛金550,000
売上割引10,000
仮受消費税1,000

ちなみに、売上勘定を借方に持ってきていないにもかかわらず仮受消費税を借方に持ってきているのが気持ち悪いですが、仮払消費税にしてしまうと課税仕入れになってしまうので、こうせざるを得ないかと思います。

消費税法が会計と足並みがそろっていないのが原因です。

消費税

返品・値引・割戻・割引すべて、自分が売上側なら「売上に係る対価の返還等」に、自分が仕入側なら「仕入れに係る対価の返還等」にそれぞれ該当します。

国内で行った課税資産の譲渡等に該当する取引に基因して支払われる次のもの(以下「売上げに係る対価の返還等」といいます。)が調整の必要な取引となります。

ただし、輸出取引など消費税が免除される取引に基因して支払われるものを除きます。

(1) 返品

(2) 値引

(3) 事業者がその直接の取引先に支払う割戻

この他、間接の取引先(商品等の卸売業者、製造業者等)に支払う飛越しリベート等とされるもの

(一部省略)

国税庁HP『No.6359 値引き、返品、割戻しなどを行った場合の税額の調整(売上げに係る対価の返還等)』より抜粋

14-1-4 課税資産の譲渡等に係る対価をその支払期日よりも前に支払いを受けたこと等を基因として支払う売上割引は、売上げに係る対価の返還等に該当する。

消費税基本通達 より抜粋

12-1-4 課税仕入れに係る対価をその支払期日よりも前に支払ったこと等を基因として支払いを受ける仕入割引は、仕入れに係る対価の返還等に該当する。

消費税基本通達 より抜粋

参考元情報

第1款 売上げに係る対価の返還等の範囲|国税庁 (nta.go.jp)

第1款 対価の返還等の範囲|国税庁 (nta.go.jp)

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