- 個人事業主へ業務委託(外注)しようとしている法人
- 業務委託スキーム導入にあたって気を付けることを調べている法人
- 業務委託と給与の違いについて調べている法人
- 雇用ではなく業務委託(外注)を検討している法人
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業務委託と雇用のメリット&デメリット
業務委託契約(フリーランス)
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・消費税仕入税額控除をできる ・労働法の厳格な制約を受けずに済む ・社会保険料負担額が減る ・委託先は年末調整対象から外せる ・源泉徴収義務から解放される場合が多い | ・指揮監督や命令、拘束NG ・社内にノウハウが蓄積されない ・外部人材に経営の生殺与奪を握られる ・基本的に給与よりも割高な報酬を支払う必要がある |
雇用契約(従業員)
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・人材をじっくり育成できる ・指揮監督や業務命令できる | ・労働法を厳格に順守する必要あり ・社会保険料負担額が増える ・年末調整の負担が増える ・源泉徴収事務負担が増える |
業務委託をはじめるとき
税務の分野では、「形式」(契約書の具備など)だけでなく「実態」も重視されます。
業務委託契約書というタイトルの契約書が存在していたとしても、外注先(業務委託先)のことをまるで従業員のように指揮監督したり業務命令を下したり、仕事道具を貸与していたりすると、「業務委託としての実態が伴っていない(=実態としては雇用契約である)」と判定されるリスクがあります。
これは昭和の時代から存在する伝統的なテーマですが、昔から存在するにも関わらず、いまだに問題になりえるということは、「税務上の常識」と「一般常識」との間にギャップが存在することを意味します。それくらい、判断が困難な分野だと理解しておきましょう。
昔は建設業(1人親方)や水商売、美容師など一部の業界で問題になっていた分野です。しかし昨今、フリーランスとしての働き方が一般化してきているためか、IT業(フリーランスエンジニア)やコンサルティング業、SNSインフルエンサー業、動画制作業など様々な業界でこの論点が生じるようになってきています。
契約形態と源泉徴収要否
| 形態 | 一般的な呼称 | 具体例 | 源泉徴収 |
|---|---|---|---|
| 雇用契約 | 雇用契約 | 企業に就職 | 必要 |
| 請負契約 | 業務委託契約 | デザイン、翻訳など | 一定の場合は必要 |
| 準委任契約 | コンサルティングなど |
名実ともに業務委託であれば、特定の取引(個人の士業へ支払う報酬や個人デザイナーへ支払う報酬など)に該当しない限りは源泉徴収は不要です。
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業務委託契約書を作る
基本中の基本ですが、必ず契約書を作りましょう。
きちんと進めるのであれば、税務の視点だけでなく、まずは法務や労務の視点が必要ですので弁護士や社会保険労務士などに要相談です。
その際、「雇用契約」ではなく、れっきとした「業務委託契約(請負契約又は準委任契約)」となるように、注意点をよく確認しておきましょう。
後述しますが、後で給与認定(雇用認定)されると非常に面倒なおおごとになります。必ず入口時点(業務委託スキーム導入前段階)でキレイにしておきましょう。
- 生成AIで自作したため不備のある業務委託契約書になってしまった。
- 業務委託契約書さえ作れば問題なしと考えている。
業務委託としての実態も整える
税務の視点においては、まずは「雇用契約等かどうか」で判定するとなっています。そのうえで、区分が曖昧だったときのために実態の判定方法が例として記載されています。
1-1-1 事業者とは自己の計算において独立して事業を行う者をいうから、個人が雇用契約又はこれに準ずる契約に基づき他の者に従属し、かつ、当該他の者の計算により行われる事業に役務を提供する場合は、事業に該当しないのであるから留意する。したがって、出来高払の給与を対価とする役務の提供は事業に該当せず、また、請負による報酬を対価とする役務の提供は事業に該当するが、支払を受けた役務の提供の対価が出来高払の給与であるか請負による報酬であるかの区分については、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく対価であるかどうかによるのであるから留意する。この場合において、その区分が明らかでないときは、例えば、次の事項を総合勘案して判定するものとする。
(1) その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか。
(2) 役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けるかどうか。
(3) まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、当該個人が権利として既に提供した役務に係る報酬の請求をなすことができるかどうか。
(4) 役務の提供に係る材料又は用具等を供与されているかどうか。
所得税基本通達より抜粋
したがって、大工、左官、とび職等が、建設、据付け、組立てその他これらに類する作業において、業務を遂行し又は役務を提供したことの対価として支払を受けた報酬に係る所得区分は、当該報酬が、請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのか、又は、雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのかにより判定するのであるから留意する。
この場合において、その区分が明らかでないときは、例えば、次の事項を総合勘案して判定するものとする。(1)他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することが認められるかどうか。
(2)報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束(業務の性質上当然に存在する拘束を除く。)を受けるかどうか。
(3)作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督(業務の性質上当然に存在する指揮監督を除く。)を受けるかどうか。
(4)まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか。
(5)材料又は用具等(くぎ材等の軽微な材料や電動の手持ち工具程度の用具等を除く。)を報酬の支払者から供与されているかどうか。
『大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得税の取扱いについて(法令解釈通達)』より抜粋
| 契約 | 法人側 | 外注先側 |
|---|---|---|
| 雇用契約又はこれに準ずる契約 | 給与 | 給与所得 |
| 雇用契約等に該当しない | 外注費 | 事業所得など |
実態の判定項目については、この4項目はあくまで例示(「例えば」と記載されているため)なので、「全て満たしていればOK」「何個満たしていればOK」という風に基準が存在しているわけではないので、個別のケースごとに判断しなければなりません。
- 業務委託先のことを「従業員」としてHPなどで紹介している。
- 業務委託先のことを勤怠管理等で拘束している。
- 業務委託先に社内カルチャーを強いている。
- 「法務の専門家のアドバイス」と「税務の専門家のアドバイス」を混同している。
給与認定(雇用認定)されると…
ご自身では業務委託契約だと考えていても、実態から給与として認定(雇用認定)されるリスクがあります。つまり、「仮に給与として処理していたらおこなうはずだったこと」を一気に対応を求められます。
- 消費税の仕入税額控除の否認
- 源泉所得税の徴収もれの対応
- 社会保険料納付漏れの対応
- これらに伴うペナルティの支払い
これが一度に押し寄せ、多額のキャッシュを一気に失うことになり、金額によってはその1回で事業が吹き飛んでしまうこともあり得ます。
つまり、業務委託契約は気軽に導入できるものというより、入口の時点で各専門家(社会保険労務士、弁護士、税理士)への相談が必須だと理解しましょう。後手にまわればまわるほど泥沼化します。
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