自計化 VS 記帳代行。違いやメリットとデメリットを税理士が解説

本コラムは以下のような方を対象としています。

  • 「自計化」が何かわからない
  • 記帳代行と自計化どちらにするか迷っている
  • 記帳代行と自計化のメリットとデメリットを知りたい
  • 会計や経理を丸投げしたい

本コラムでは「自計化」と「記帳代行」について解説しています。

目次

「自計化」とは

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項目釣りに例えると…
記帳代行魚を代わりに釣ってもらう
自計化魚を自分で釣る
自計化サポート魚の釣り方を教わる
イメージ

「自計化(=自社で会計を行うこと)」とは「記帳代行」と対になる言葉です。

大企業や経理部門が構築されている企業などの場合は、自計化が完了しているところが大半です。

メリット&デメリット

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項目
記帳代行・事務負担を丸投げできる・税理士報酬が高くなる
・時間がかかる
・税理士からの追加質問に要回答
・自社の会計に無頓着になってしまう
・顧問税理士が
税務アドバイスに割く時間が無くなる
自計化・鮮度の高い会計数値を経営に役立てる
・自身の会計を自身で説明できるようになる

(金融機関や大口顧客と取引したいときなどに重要)
・長く使える知識が身につく
・会計を習得するための負担が生じる

「自分で記帳できているかどうか」の指標例

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主な項目必須レベル
会計ソフトの操作方法を概ね理解している★★★
勘定科目を正しく使用できている★★★
資産勘定(預金など)や負債勘定(借入金など)がマイナス残高になっていない★★★
預金の通帳残高⇔帳簿上の預金勘定 が一致している★★★
固定資産台帳⇔試算表 の整合性が取れている★★★
給与に係る会計処理が正しく計上できている★★★
源泉徴収に係る会計処理が正しく計上できている★★★
消費税区分などを正しく判断・入力できている★★☆
発生主義を理解できている★★☆
『税理士へ相談した方が良い取引』かどうか判断ができる★★★

上記の項目は一例ですが、ご自身で記帳する場合は『税務会計』を内製化(社内に経理専任スタッフを配置する or ご自身で会計を学ぶ)頂く必要があり、クラウド会計を使っても上記を習得することはできません。

記帳=単純作業ではありませんのでその点については要注意です。

自計化は安易に手を出せるものでもない

経理専属スタッフを設置 or 自力で習得

前述の通り、事業者の皆様にとっての自計化のデメリットは「税務会計を習得する負担が生じる」ことですが、この「税務会計の習得」は言うは易く行うは難し、です。

そのため経理専任の従業員を設置している場合を除き、安易に自計化を選ぶと悲惨なことになります。

税務会計は0点か100点かの2種類しか存在しない厄介な分野なので、税理士事務所からの自計化アドバイスはあくまで補助輪として使いつつも自力で100点まで持っていけるよう自己学習するか、経理専属スタッフを雇用するかしかありません。もし両方ともできない場合は記帳代行を選択すべきです。

自計化に失敗すると…

以下の2つでは、業務工数は 1 > 2 です。2は「ゼロを100にする作業」ですが、1はまず最初に「マイナスをゼロに戻す作業」からスタートすることになるためです。

  1. 事業者が自身で記帳し結果的に誤りが多く税理士事務所がそれらを修正する
  2. 税理士事務所が記帳代行する

業務工数≒税理士報酬ですので、自計化に失敗し帳簿がカオス状態になりそれを税理士事務所が修正する場合かえって料金が高くつくこともあります。外科医が自分で手術を執刀する場合と、自分の弟子に手術のやり方を教えてやらせて指導する場合とで、どちらの方がその外科医にとって負担が大きいか、をイメージしてください。

このような事情から、自計化と記帳代行とで料金に差をつけていない税理士事務所や、そもそも記帳代行しか受け付けていない事務所もあります。

この辺りの事情を理解していなければ、依頼する税理士事務所を探す際、見積もりや料金の話をするときに税理士事務所側と会話がかみ合わなくなりますので、情報としてご参考になれば幸いです。

自計化サポート

弊所では自計化サポートに特化したサービスメニューをご用意しております。

3か月プランと6か月プランがあり、顧問契約を締結頂かなくてもご利用頂けますので、顧問契約締結前のお試しサービスとして使って頂くことも可能です。

将来的には自計化をお考えの方は以下からご確認下さい。

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