収益と費用
計上時期
種別 | 計上時期 |
収益 | 財・サービス提供時 |
費用 | 財・サービス提供時 |
「提供時」と簡単に書いていますが、「『いつ』が『提供時』なのか」を判断するのも結構難しいので、そこは税理士へ要相談です。
収益と費用を対応させる
当期に計上した収益には、その収益を獲得するために要した費用が必ず存在するはずですので、それらを同一の期に計上させて対応させる必要があります。
総額表示する
例えば、以下のように、自分(賃借人)が借りた建物を、自社の従業員へ社宅として転貸しているとします。
従業員から50,000円受け取って、オーナーに500,000円支払う契約となっているような場合に、以下の様な仕訳を計上するのはNGです。
地代家賃 | 450,000 | 現金預金 | 450,000 |
地代家賃と家賃収入両方とも、総額で計上しなければなりません。
地代家賃 | 500,000 | 現金預金 | 500,000 |
現金預金 | 50,000 | 家賃収入 | 50,000 |
貸倒損失と貸倒引当金
貸倒損失
債権が法的に消滅したとき
倒産手続きなどによって顧客などが倒産し、債権が法的に消滅したときは、貸倒損失として計上します。
あくまでも「法的に消滅」ですので、自分の主観で勝手に計上することはできません。
法的に消滅したことが分かる客観的な資料を入手する必要があります。
貸倒損失 | 500,000 | 売掛金 | 500,000 |
回収不能な債権
法的に債権が消滅したわけではないが、債務者側が相当期間債務超過状態に陥っており(このことが分かる資料を要入手)、弁済できないことが明らかである場合なども、会計上、貸倒損失を計上します。
が、根拠となる資料をそれほどスムーズに入手できない状況もあり得ます。
取引先に「すみません、御社は債務超過になっていると思いますが、こちらも貸倒損失を計上したいので債務超過状態がわかる資料を頂けませんか」なんて言えないですよね。
こういう、債務超過というデリケートな状況において、「相手を巻き込むような情報の入手」はなかなか難しい場合もあるので、実際にはこのやり方で貸倒損失を計上するのは難しいと思われます。
貸倒引当金
計上するときは以下のような会計処理です。
貸倒引当金繰入 | 200,000 | 貸倒引当金 | 200,000 |
この200,000円の算出方法にはいろいろありますが、取引相手を巻き込まずに済む計算方法として、実務上、法人税法に則ったやり方があり、以下の計算式により算出します。
①事業年度終了時に有する一括評価金銭債権の帳簿価額合計額
②実質的に債権とは見られない金額
③(①-②)×法定割合
その他引当金
要件
以下の要件を満たすとき、会計上、引当金を計上します。
- 将来の特定の費用又は損失であること
- 発生が当期以前の事象に起因すること
- 発生の可能性が高いこと
- 金額を合理的に見積もることができること
賞与引当金
翌期に従業員に支給するボーナス支給額を見積もって、そのうち、当期に対応する分を引当金として費用計上します。
なお、役員や代表に対しての賞与は別なのでここでは割愛します。
賞与引当金繰入 | 300,000 | 賞与引当金 | 300,000 |
この300,000は以下の算式で算出します。
①前1年間の1人当たりの使用人等に対する賞与支給額
②当期の月数/12か月
③当期において期末在籍使用人等に支給した賞与の額のうち、当期に対応するものの1人当たりの賞与支給額
④期末の在籍使用人等の人数
⑤(①×②-③)×④
退職給付引当金
場合 | 引当金 | 算出方法の例 |
退職一時金制度を採用している | 計上する | ①期末に従業員全員が自己都合退職した場合に必要となる退職金総額 ②会社が決めた合理的な率 ③①×② |
確定拠出年金制度などを採用している | 計上しない | 外部機関へ毎月拠出している金額を費用処理 |
従業員との間で、退職金規定や退職金の支払合意があるとき、会社側の当期負担分と考えられる分を、以下の通り計上します。
退職給付引当金繰入 | 300,000 | 退職給付引当金 | 300,000 |
参考元情報
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