法人成りと個人事業はどっちが得?マイクロ法人のデメリットを解説

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本コラムの対象者
  • 法人成りを検討している個人事業主
  • 個人事業とマイクロ法人を並走させようとしている方

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目次

結論

スクロールできます
区分項目個人事業法人
税務税率所得が少ないほど有利所得が多いほど有利
税務申告の難度相対的に低い相対的に高い
代表者自身に対する給与所得全額役員報酬
(給与所得控除あり)
親族に対する給与青色事業専従者給与役員報酬
交際費等の範囲相対的に狭い相対的に広い
生命保険事業経費にならない
(生命保険料控除~12万円)
一定の場合には損金算入可
社宅制度なしあり
退職金なしあり
(退職所得控除)
相続税個人資産と事業資産が相続財産個人資産と株式が相続財産
損失の繰り越し3年間10年間
税務以外社会保険一定の場合以外は任意加入加入必須
対外的な信用力低い高い
求められるコンプラ事業主に対して役員⇔法人の区別
決算日12月31日自由に決める
会計の難度低い高い
事業開始の手続き相対的に負担が軽い相対的に負担が重い
廃業時の手続き相対的に簡易&ローコスト相対的に煩雑&コスト増

マイクロ法人&個人事業

個人事業をおこないながら法人を設立して社保などをコントロールしようとするときマイクロ法人という言葉が使われます。

Youtubeなどで色々発信がされていますが、正直なところ税理士目線でみれば「おいおい…大丈夫か…?」とつっこみたくなるような内容を発信している動画もたくさん見かけます。

マイクロ法人を設立している方で個人事業と並走させることの弊害をきちんと理解している方を見たことが無いので、これは素人が簡単にコントロールできるものではないと認識した方が良いです。

にも関わらず、誰でも気軽にマイクロ法人しましょう!的な発信をよく見かけますが…。

ちなみにもし私の周囲の友人などで社保コントロールしようとするためだけにマイクロ法人を設立しようとしている人間がいて相談を受けたら間違いなくストップをかけます。

マイクロ法人のデメリット

会計帳簿が2個へ増える

個人事業の会計帳簿と法人の会計帳簿2つ作らなければなりません。

法人の会計帳簿は個人事業より作成の難度が上がります。

申告業務が2種類へ増える

個人事業だけなら3つ程度で済んでいたものが、以下の通り一気に増えます。

主な業務個人事業法人の事業
所得税
源泉所得税
法人税
法人事業税
法人住民税
消費税
償却資産税
年末調整
法定調書
給与支払報告書

日々の事務負担増加

代表者(プライベート)、代表者(個人事業)、法人という3種類のセクションが生じているので、例えばクレジットカードや銀行口座なども3種類のセクションに分けなければなりません。

領収書などの書類についても、どれが個人事業の分で、どれが法人事業の分なのか自分で整理&管理しなければならなくなります。

社保関係の手続き

社労士の分野になりますが法人を設立すれば社保関係の手続きが生じます。

社労士へ依頼しないのであれば自分で自己学習して何をしなければならないのか学ぶ必要があります。

税理士報酬

個人事業の分と法人事業の分とで、税理士報酬は別です。

会社を閉じるときが大変

個人事業の場合、廃業するのは比較的簡単ですが、法人の場合解散手続き、清算手続きなどお金も時間も要します

本来、会社というものは設立した時点で何年もその事業で運営していくことを前提として諸制度が作られています。ところが、マイクロ法人のような使い方をする場合、その事業に対しての本気度が低いケースが多いためそもそもこのような手続きが複雑と認識していない場合が多いです。

つまり、法人を運営していくことが一体どれだけ大変なことなのか理解しないままカジュアルに法人設立してしまっている方多い、ということです。

法人ならではの諸経費

個人事業時代はそれほどうるさくなかったことでも、法人設立した時点で法的に求められるコンプライアンスのレベルが一気に上がります。

何かを決めたら会社法に則って議事録作成をする必要がありますし(ご自身でできない場合は司法書士へ相談)、ちょっとした取引でも契約書を作成しなければならなかったり(ご自身でできない場合は弁護士報酬発生)、代表者個人のプライベートと法人の事業とで公私混同しないようにすることも求められます。

このような各種タスクに対処するために外部専門家への報酬が生じたり、個人事業時代にはなかった諸経費が生じます。

コンプライアンス体制

税逃れや税率コントロールのために法人設立し、収入の帰属先(個人事業or法人事業)を恣意的に(勝手に)決めることは原則として許されません。

税務調査があった際は、「なぜ取引Aから生じた収入は個人事業に帰属(所得税の税率で課税される)させていて、取引Bから生じた収入は法人の事業に帰属(法人税の税率で課税される)させているのか」といったことをご自身で説明できなければなりません。

そのあたりを適切に説明できる自信がないのであれば辞めた方が良いでしょう。

個人事業とマイクロ法人を並走できそうな方

  • 自己学習できる方、自走できる方
  • 大口取引先から「法人でないと契約できない」と言われたなど合理的な理由がある方
  • 他責思考でない方

「他責思考でない」ですがなぜかと言えば、従業員を雇用するような規模の「通常の営利目的の法人」であれば自社で対応できないことは弁護士や社労士などの外部専門家へ依頼するのが常ですが、マイクロ法人の場合、そのためのお金がかかるのが嫌だというケースが多く、その場合は当然ご自身で法務や社保などを自己学習する必要が生じるためです。

「自己学習もしたくない」「お金がかかるのも嫌だ」という方はマイクロ法人スキームに向いてませんのでやめた方が良いでしょう。

まとめ

個人事業とマイクロ法人の並走は、Youtubeチャンネルや市販書籍などでいわれているほど簡単ではありませんので、それらに影響されデメリットをよく理解しないまま走り出さないよう注意しましょう。

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