企業が経理人材を募集するときのチェックポイントを税理士目線で解説

本コラムは以下のような方を対象としています。

  • 経理スタッフを雇用しようとしている法人の経営者又は決裁権者
  • 経理スタッフが最近退職してしまった法人の経営者又は決裁権者
  • そろそろ経理などのバックオフィス部門も強化してゆきたいというフェーズの法人
  • 「経理スタッフの募集要件は簿記2級くらいでいいの?」と考えている方
  • 経理キャリアを歩んでゆきたい方(応募する側の方

「気を付ける」といっても採用ノウハウではなく、あくまでも税理士目線でどのような人材を確保すると良いかという意味です。

目次

『税務会計』に対するある程度の理解

「税務会計」とはざっくりいえば「会計処理(仕訳)を作る時点で税務も検討してしまうこと」です。

事実認定

「会計」と「税務」は別物ですが、「会計の検討」の段階で税務的な論点も(ある程度)一緒に検討してしまうということです。

税務会計は税法の専門知識をガッツリ要するため、税理士の真骨頂の分野です。経理担当の方々が熟知している必要はありません。

しかし、「これは税務会計ベースでは違う仕訳になるかもしれない。顧問税理士へ相談した方が良さそうだな」と立ち止まることができる程度には理解している必要があります。

税務会計の視点が欠けていると具体的にどのような弊害があるかについて以下のコラムで詳細を解説していますがテクニカルな内容も含みますので、読む時間が無い方は一旦「『会計』だけでなく『税務』もある程度理解していなければ正しい会計処理が作れない」ととらえてください。

消費税法の理解度

会計と税務(法人税法や消費税法)は別なので、企業の経理担当者の方は(本来は)前者だけ理解していれば良いのですが、残念ながら消費税法と会計は実務上一体化してしまっている部分があります。

会計ソフトに仕訳登録するときに消費税区分も選択しなければならないためです。

この「消費税区分判定」という工程だけ切り離すと業務が非効率になりがちなので、仕訳登録時点で消費税区分も正しく判断しなければなりません。

そしてこの消費税区分の判定は税理士でも稀に判断に迷うこともあるくらい難易度が高いものもあります。

人材確保はそれほど簡単ではない?

まとめますと、税理士目線で見た場合の確保すべき経理人材は以下の2点となります。

  • 『税務会計』をある程度理解している人材
  • 消費税法をある程度理解している人材

経理人材はどこも不足しています。もし上記2点の要素を持つ応募者の方と出会うことができたらかなりラッキーです

ただ、そのような人材は当然人件費も高くなります(というか、高くついても確保すべき人材です)。

転職市場でも引っ張りダコかと思いますので、見つからなければ顧問税理士のサポートを受けながらやってゆくことになります。

顧問税理士に、応募者の方向けの簡単なテストなどを作ってもらうのも良いかもしれません。

経理人材の方

重要かつ業務工数も大きく減点法の厳しい世界であるにも関わらず「バックオフィスだから」といって軽視されがちな経理ですが、税理士目線で見れば、会計業務に関して質的な部分の担保を取るためには非常に大切な職種です。

経理職にご興味がある方は以下の記事もご参照下さい。

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