フリーランス研修講師の確定申告。売上計上時期や経費など税理士が解説。

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昨今、AI導入コンサルティングなどの一環で、企業内研修を受託するフリーランスも増えているようです。

本業が「研修講師」専業ではないパターンが多く、研修講師特有の論点に気付かずスルーしてしまうリスクがあります。特に、主催者と直接契約している場合と、運営業者を介して研修を受託している場合とでは、計上時期の考え方が異なることがあります。

この記事では、それぞれのケースでの売上計上時期の判断方法を解説します。

目次

研修講師の報酬はいつの売上になるか

原則として、「研修を実施した日」(役務の提供を完了した日)の売上として計上します。

ただし、運営業者が間に入る契約では、報酬額の決定時期によって計上時期が変わることがあります。どこかの教科書に正解が書かれているわけではありませんので、個々の経済的実態に基づいて、税理士へ相談しつつ進めましょう。

所得税の収入金額は、「実際に入金があった日」ではなく、「報酬を受け取る権利が確定した日」の属する年分に計上します。

収入すべき時期は現実に金銭を受領していなくても「収入すべき権利の確定した金額」であり、いつ収入とすべきかは取引の内容や契約の取決めによって判定するとされています。

その年において収入すべき金額は、年末までに現実に金銭等を受領していなくとも、「収入すべき権利の確定した金額」になります。したがって、実際に金銭等を受領したか否か、また、代金を請求したか否かは関係がありません。

研修講師のように役務の提供によって報酬を得る場合、この「権利の確定」がいつ生じるかを、契約の内容に沿って個別に判断する必要があります。

主催者と直接契約しているとき

企業や団体と直接契約して研修を行っている場合、報酬額はあらかじめ契約で確定していることがほとんどです。

このケースでは、「研修を実施した日」(役務提供が完了した日)に、「契約で定めた金額」をその年の売上として計上します。振込が翌月や翌年になっても、計上する年分は研修実施日が基準になります。

たとえば、12月に実施した研修の報酬が翌年1月に振り込まれる場合でも、売上は12月分(当年分)として計上します。この点は、商品を売った時期と代金の受け取り時期がずれる一般的な取引と同じ考え方です。

運営業者が仲介するとき

契約時点で報酬額が確定しているケース

「1回の登壇につき〇円」のように、研修の実施前から報酬額が固定されている契約であれば、直接契約の場合と同じく、「研修を実施した日」に売上を計上するケースが多いと考えられます。

運営業者を経由するかどうかは、計上時期の判断には影響しません。

受講者数や実績に応じて後日金額が確定するケース

受講者数、動画の視聴回数、販売本数などに応じて報酬額が決まる契約では、研修を実施した時点では金額が確定していません。

この場合は、一般的には、運営業者からの精算通知や支払明細によって、「報酬額が確定した日」の属する年分に売上を計上することになります。

「研修の実施日」と「報酬額の確定日」が別の年にまたがることもあるため、契約書や規約で「報酬額の確定方法」と「確定時期」を必ず確認しておく必要があります。

ただし、状況によっては、先に確定している分の売上を計上するケースもありえるため、判断が困難な場合、税理士へ相談しましょう。売上計上時期のミスによるペナルティは「期ズレ」と呼ばれ税務調査時の王道の指摘事項のひとつです。

決算をまたぐ研修契約で起きやすい計上漏れ

12月に研修を実施し、報酬額の確定や振込が翌年になる契約では、当年分の申告に売上を計上し忘れるケースが見られます。

「入金があった時点で売上に計上する」という現金主義に近い処理を続けていると、実施済みの研修が計上から漏れ、税務調査で売上計上漏れを指摘される可能性が非常に高いです。売上計上時期ミスの指摘は、税務調査官からすれば、帳簿をベースにして指摘すれば良いだけなので楽だからです。

年末に近い時期に実施した研修については、報酬額が確定しているか、確定していない場合はいつ確定する見込みかを、契約書や運営業者とのやり取りで確認しておくと、計上漏れを防ぎやすくなります。

契約書で確認しておきたいポイント

計上時期を正しく判断するために、契約の段階で次の点を確認しておくと安心です。

・報酬額が研修実施前に確定しているか、実施後の実績で確定するか
・実績に応じて金額が決まる場合、確定の通知はいつ、どのような形で届くか
・源泉徴収の有無と、源泉徴収がある場合の徴収時期

契約形態によって判断が分かれる部分があるため、ご自身の契約内容に照らして不明な点がある場合は、個別にご相談いただくことをおすすめします。

弊所ではスポット税務相談を承っており、契約書を拝見したうえで具体的な計上時期についてお答えすることも可能です。

よくある質問

研修講師の報酬は入金日に計上してもいいですか?

原則として認められません。

「報酬を受け取る権利が確定した日」(多くの場合は研修実施日)の属する年分に計上する必要があります。入金日を基準にすると、年をまたぐ取引で計上時期がずれる可能性があります。

仲介業者経由の契約は、直接契約より計上が遅れるのですか?

契約内容によります。

報酬額が研修実施前に確定している契約であれば、直接契約と同じく実施日に計上するケースが多いように思います。実績に応じて後日金額が決まる契約の場合のみ、確定日を基準に計上時期がずれることがあります。

ただし、一律に教科書的にどこかに正解が書かれている話ではありませんので、税理士と一緒に個別判断をしていきましょう。

昨年分の売上計上に漏れがあった場合、どうすればいいですか?

計上漏れに気づいた時点で、修正申告や更正の請求などの手続きが必要になる場合があります。

漏れの内容や金額によって対応方法が異なるため、早めに個別にご相談いただくことをおすすめします。

青色申告なら現金主義で計上してもいいのですか?

一定の要件を満たす小規模事業者は、届出により現金主義を選択できる特例があります。

ただし選択には条件があり、誰でも自由に使えるわけではないため、適用可否については個別にご確認いただく必要があります。

ご自身の会計や税務について、「自分の場合はどのように進めるべき?」とお悩みの方は、まずは弊所サービス内容をご確認いただき、無料WEB面談をご予約下さいませ。

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この記事を書いた人

澁谷 修平のアバター 澁谷 修平 税理士

■事務所概要■
【名称】澁谷税理士事務所
【取扱業務】税務、会計、経理体制構築支援、クラウド会計導入支援、電子帳簿保存法対応支援、創業支援、資金繰り支援、政治資金監査
【サービス提供地域】東京及び埼玉、千葉、神奈川を中心としてオンラインにて全国対応
【インボイス登録番号】T8810003064837
【取引金融機関】日本政策金融公庫、GMOあおぞらネット銀行

■資格・認定■
税理士(登録番号150781)
政治資金監査人(登録番号6390)
マネーフォワードクラウド公認メンバー
マネーフォワードクラウド経理財務領域マスター検定
マネーフォワードクラウド会計アドバンスド検定
マネーフォワードクラウド請求書検定
マネーフォワードクラウド経費検定
GMOあおぞらネット銀行創業支援パートナー

■所属■
東京税理士会
東京商工会議所
稲門会

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