商品売買をおこなう業種の場合の、売上と仕入の計上方法には種類がいくつかあります。
本コラムでは一般的かつシンプルな方法「三分法」について解説しています。
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計上方法
種類 | 説明 |
分記法 | 商品、商品販売益を用いる |
総記法 | 商品、商品販売益を用いる |
売上原価対立法 | 商品、売上原価、売上を用いる |
三分法 | 繰越商品、仕入(売上原価)、売上の3つを用いる |
七分法 | 三文法の発展型 |
三分法以外の解説は割愛しますが、ポイントになるのは、「会計ソフトを使用するときにいつ消費税認識をするか」です。
三分法以外の方法を使用すると、消費税認識の事務負担が非常に増えてしまうものもあるため、実務上シンプルな三分法を使用するのが一般的です。
三分法
期首
期首残高試算表に、前期から繰り越された商品が150計上されていたとします。
残高試算表 | |||
繰越商品 | 150 | 負債など | … |
資産など | … |
期中(仕入時)
借方科目 | 消費税 | 借方金額 | 貸方科目 | 消費税 | 貸方金額 |
仕入 | 課税10% | 30 | 買掛金 | – | 30 |
消費税認識は、「課税仕入れを行った日」=「商品を購入して受け取った日」にするので、ここで認識します。
(課税仕入れを行った日の意義)
11-3-1 法第30条第1項第1号《仕入れに係る消費税額の控除》に規定する「課税仕入れを行った日」及び同項第2号に規定する「特定課税仕入れを行った日」とは、課税仕入れに該当することとされる資産の譲受け若しくは借受けをした日又は役務の提供を受けた日をいうのであるが、これらの日がいつであるかについては、別に定めるものを除き、第9章《資産の譲渡等の時期》の取扱いに準ずる。(平13課消1-5、平27課消1-17により改正)
消費税基本通達 より
(棚卸資産の譲渡の時期)
9-1-1 棚卸資産の譲渡を行った日は、その引渡しのあった日とする。
消費税基本通達 より抜粋
期中(売上時)
借方科目 | 消費税 | 借方金額 | 貸方科目 | 消費税 | 貸方金額 |
売掛金 | – | 40 | 売上 | 課税10% | 40 |
決算整理
以下のいずれかの会計処理を計上します。
借方科目 | 消費税 | 借方金額 | 貸方科目 | 消費税 | 貸方金額 |
仕入 | – | 150 | 繰越商品(期首残) | – | 150 |
繰越商品(期末残) | – | 200 | 仕入 | – | 200 |
借方科目 | 消費税 | 借方金額 | 貸方科目 | 消費税 | 貸方金額 |
売上原価 | – | 150 | 繰越商品(期首残) | – | 150 |
売上原価 | – | 1,600 | 仕入(当期中の仕入) | – | 1,600 |
繰越商品(期末残) | – | 200 | 売上原価 | – | 200 |
この150は期首残高試算表に計上されていたものです。
期首に計上されていた商品は、期中に売れているはずなので、費用勘定(仕入)に振替えます。
同時に、期末時点で売れていない商品(繰越商品)は費用勘定(仕入)から除きます。

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