法人経営に慣れてきた経営者が陥る可能性のある税務リスク

本コラムの対象者
  • 法人を何年か経営してきた経営者の方、法人を数社経営している方
  • 繰越欠損金が積みあがっている法人を持っている方
  • 合併や事業譲渡など組織再編を検討している経営者の方
目次

繰越欠損金など使用不可になる

ざっくりいえば、以下の全てに該当する場合など一定の場合には、その法人が持っている繰越欠損金などを使うことができなくなりますよ、という規定です。

欠損等法人

以下の全てに該当する法人=欠損等法人 です。

  • 内国法人
  • 「他の者」との間に「他の者」による「特定支配関係(「他の者」がその内国法人の発行済株式等の50%超を直接又は間接に保有する関係その他一定の関係)」を有することとなった
  • 「特定支配関係を有することとなった日」の属する事業年度(「特定支配事業年度」)において、特定支配事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額(一定のものに限る) or 評価損資産を有する

一定の事由

以下のいずれかが「一定の事由」です。

  • 「特定支配関係を有することとなった日」の直前において事業を営んでいない場合等において、その日以後に事業を開始する等
  • 「特定支配関係を有することとなった日」の直前において営む事業の全てを、その日以後に廃止した or 廃止することが見込まれている場合において、その直前において営む事業の事業規模(売上金額など)のおおむね5倍を超える資金借入れ等をおこなう
  • 「他の者」又は「関連者」が、他の第三者から「欠損等法人」に対する債権で一定のもの(「特定債権」)を取得している場合において、その「欠損等法人」が「特定支配関係を有することとなった日」の直前において営む事業のおおむね5倍を超える資金借入れ等をおこなう
  • その他一定の場合

この「一定の事由」は「これとこれとこれだけ」のように分かりやすく列挙されているものもありますが、そうでないものもあるため特に慎重にならなければなりません。

具体例

  • 休眠中の赤字法人で株主構成が変わった
  • 赤字法人の現行事業を廃止等して新たな事業を開始するための資金借入れ等をおこなう
  • 赤字法人に対する債権を取得しその赤字法人が営む事業規模の概ね5倍を超える資金借入れ等をおこなう

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