事業を開始した日。開業日との違いや消費税と所得税の違いを税理士が解説

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目次

本コラムの対象者

  • 副業を事業化した個人事業主の方
  • 事業を始めたが以前より別の副業をやっていたという方
  • 事業を開始した日=開業届出記載の日付 と誤解されている方

開業届出に記載した日付

個人事業を始めたとき、開業届出を提出しますが、開業届出には開業日を記載する欄があります。

一般的にはここの記載した日付が「所得税法上の」事業を開始した日となります。

消費税法上の『事業』とは

【照会要旨】

 消費税法上における「事業」の定義は何でしょうか。
 所得税の通達では「事業」と「業務」を区分して考えていますが、消費税においては区分する必要はないのでしょうか。

【回答要旨】

 消費税においては、事業者が「事業」として行う財貨・サービスの提供を課税対象としていますが、この場合の「事業」とは、「同種の行為を反復、継続かつ独立して遂行すること」をいいます。これは、消費税が消費者に負担を求める税であることにかんがみ、個人が消費者として行う行為を課税対象から除外するためのものです。
 なお、所得税法における「事業」と「業務」の区分は、所得金額の計算上、その者が支出する費用等について必要経費として収入金額から控除できる範囲を考える場合の基準として用いられているものであり、消費税法における「事業」とは異なります。
 消費税法における「事業」は、所得税法にいう「事業」よりも広い概念です。

消費税における「事業」の定義|国税庁 (nta.go.jp)

一般的に、開業届出に記載する日付は所得税の方の事業開始日であることがほとんどです。
が、消費税法の場合、「開業日がいつか」ではなく、「消費税法上の『事業』に該当する行為を行った日」が「事業」の開始日となります。

つまり、「消費税の課税関係を考慮する場合に使う日付(消費税法上の事業開始日)」と「所得税の課税関係を考慮する場合に使う日付(ほとんどの場合は開業届出に記載した日付)」とがイコールにならないこともある、ということです。

原因は所得税法の考え方と消費税法の考え方とで足並みがそろっていないことです。
非常にややこしいところですが、このあたりを理解していないとどこかで税務上の事故につながることもあるかもしれません。

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