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ネット上に散見される解釈
複数の税理士が、以下のような解説をしています。
支給時期到来前に役員が辞退申し出をし、総会で不支給決議をすれば、法人税基本通達4-2-3(未払給与を支払わないこととした場合の特例)が使えるため、債務免除益(益金)は計上されない。
弊所の見解としてはこれは完全な誤りであると考えています。おそらく複数人の税理士が同一情報源に右に倣えしているだけで、専門家として自身で精査をしていないものと推測します。
法人税基本通達4-2-3を分解する
結論として、以下の全てを充足している場合に、適用可能です。
- 未払給与であること
- 損金不算入の役員給与であること
- 取締役会等の決議に基づきその全部または大部分の金額を支払わないこととしていること
- 会社の整理、事業の再建、業績不振のいずれかの事由によること
- その支払われないこととなる金額がその支払を受ける金額に応じて計算されている等一定の基準によって決定されたものであること
問題は①です。未払給与であることが前提になっている=法人税法上の債務確定3要件を充足済み、であるはずです。
事前確定届出給与は過去の職務執行期間に対する対価ではなく、これからはじまる職務執行期間に対する対価ですが、一般的に、支給時期到来=債務確定、と考えられています。理由は以下の通りです。
(受任者の報酬)
第六百四十八条 受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。
2 受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。ただし、期間によって報酬を定めたときは、第六百二十四条第二項の規定を準用する。(報酬の支払時期)
民法
第六百二十四条 労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない。
2 期間によって定めた報酬は、その期間を経過した後に、請求することができる。
二 その役員の職務につき所定の時期に、確定した額の金銭又は確定した数の株式(出資を含む。以下この項及び第五項において同じ。)若しくは新株予約権若しくは確定した額の金銭債権に係る第五十四条第一項(譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例)に規定する特定譲渡制限付株式若しくは第五十四条の二第一項(新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例等)に規定する特定新株予約権を交付する旨の定めに基づいて支給する給与
法人税法
「期間を経過した」日にはじめて請求権が生じることが読み取れます。
「期間が経過した日」=職務執行期間終了日(事前確定届出給与の支給日の属する事業年度の翌事業年度)、のように思いますが、実務上、そのようなおかしな処理(実際に支給した事業年度では損金算入しない)をしている法人が存在するとは思えませんし、かつ、法人税法上では「支給する給与」が損金算入できることになっています。
以上より、支給時期=「期間を経過した日」であると思われます。
ネットで散見される情報では、支給時期到来前=「期間を経過」する前=債務確定していない=未払計上できない状態、にも関わらず、この通達を適用できるとして説明しており、ロジックがめちゃくちゃです。
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