短期前払費用の特例。継続要件や消費税との関係について解説

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使いやすいようで使いにくい、短期前払費用の特例について解説しています。

目次

本コラムの対象者

  • 事業に関するサブスク支払がある方

短期前払費用とは

法人税

2-2-14 前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下2-2-14において同じ。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。(一部省略)

(注) 例えば借入金を預金、有価証券等に運用する場合のその借入金に係る支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、後段の取扱いの適用はないものとする。

法人税基本通達 より抜粋

所得税

37-30の2 前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうちその年12月31日においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下この項において同じ。)の額はその年分の必要経費に算入されないのであるが、その者が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する年分の必要経費に算入しているときは、これを認める。

(一部省略)

所得税基本通達 より抜粋

消費税

「支出した日の属する課税期間において行った」ですので、つまり法人税や所得税と足並みを揃えるということになります。

11-3-8 前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した課税仕入れに係る支払対価のうち当該課税期間の末日においていまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。)につき所基通37-30の2又は法基通2-2-14《短期前払費用》の取扱いの適用を受けている場合は、当該前払費用に係る課税仕入れは、その支出した日の属する課税期間において行ったものとして取り扱う

消費税基本通達 より抜粋

具体例

  • システム利用料
  • 保険料
  • 清掃作業の外注費
  • サーバー代
  • 会計ソフトの利用料

会計処理の例

支払時

支払手数料50,000現金預金55,000
仮払消費税5,000

消費税5,000円も所得税・法人税と同じタイミングで認識します。

決算時

仕訳の計上不要

短期前払費用として認められない場合

  • 継続取引でない(スポット取引)
  • 提供を受けるサービスが「等量等質」ではない

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