弊所・澁谷税理士事務所は、法人設立サポートなどの創業支援や小規模な事業者向け税務顧問を取り扱う練馬駅に近い事務所です。マネーフォワードクラウドなどのオンラインツールを活用し、ペーパーレス・キャッシュレスを目指してサービス展開しております。
クラウド会計は便利ですが、システムに頼りっきり状態だと誤った会計処理が量産されてしまうリスクもあります。本コラムでは日々のメンテナンスについて解説しています。
本コラムの対象者
- マネーフォワードクラウドを使いこなしたい方
- 自分で記帳をおこなっている事業者の方
日々のメンテナンス項目の例
「部分一致」
自動仕訳ルール作成画面で「明細の一致条件」という欄があります。
欄が2段に分かれていますが、上段の方はなるべく汎用的なワードにとどめておき、下段の方は「部分一致」にしておくと良いです。こうしておくとクラウド会計が、「作った自動仕訳ルールの射程範囲となる可能性がある取引」を拾いやすくなります。
決算整理が必要な取引の抽出
抽出するためには税務会計の知識が必要です。
該当するものがあれば「仕訳辞書」に決算整理仕訳として入れておきましょう。期末に忘れずに済みます。
補助科目を設定した方が良い取引の有無
例えば「接待交際費」に関しては、税法上の区分が色々あります。
- 参加者1人当たりの支出額が10,000円以下のもの
- 「接待飲食費」に該当するもの
- 「社内飲食費」に該当するもの
会計ソフト上でこれらの区分を設定してしまえば、あとで税理士からこれらの情報を要求されたときにすぐに情報を抽出することができます。
こういった作業(決算期に楽するための工夫)は日々のメンテナンスの時にやっておくと楽です(ただし税法の知識を要するものもあります)。
税務会計目線のチェック
「税務会計ベースだとこの取引はこうだから、自動仕訳ルールもこういう風に変えた方が良いな」という風に着手します。
この「税務会計ベースだとこの取引はこうだから」という判断のためには税法に対しての理解が必要です。
詳細は以下のコラムにて解説しています。
どのルールにもマッチしない場合
マネーフォワードクラウドでは、「設定済の自動仕訳ルールのどれにも当てはまらない取引が生じた場合に、どのような仕訳を計上するか」を指示することもできます。
例えば以下のように設定しておくと便利です。
借方科目 | 消費税 | 借方金額 | 貸方科目 | 消費税 | 貸方金額 |
仮払金 | – | 指定なし | 普通預金 | – | 指定なし |
借方科目 | 消費税 | 借方金額 | 貸方科目 | 消費税 | 貸方金額 |
普通預金 | – | 指定なし | 仮払金 | – | 指定なし |
このようにしておくと決算整理のときに、まだチェックしていない取引は全て仮払金勘定に集約されているわけですから、月次決算整理のときなどに、仮払金勘定を集中してチェックすれば良いということになります。
ちなみに入金側も「仮受金」ではなく「仮払金」にした方が楽です。
仮払金も仮受金もただの暫定的な勘定科目ですので、決算整理のときにゼロにする前提であれば、仮払金だろうが仮受金だろうがどっちでも良く、むしろ使う勘定科目の数を増やすと業務工数が増えので全て仮払金に集約することをおすすめします。
月に1回程度の頻度
ITエンジニアがなにかツールを開発したとき、定期的に保守メンテが必要になると思いますが、それと同様にクラウド会計上の設定(AIに対しての指示)も定期的にメンテナンスをする必要があります。
メンテの際に税務会計の知識が必要になることも多いため、結局「質的な面でのチェック」が必要になり、ハンズオフ状態でクラウド会計が全て自動でやってくれるという状態にはならないので注意が必要です。
ちなみに一度ぐちゃぐちゃになった帳簿をもとに戻す作業は尋常でない業務工数がかかります。
帳簿があまりにも混沌とした状態だと決算申告を引受ける税理士を探すのに相当苦労することになります(場合によっては何か月間も見つからないことも…)。
もし見つかったとしても料金は割高になる可能性が高いので、そもそもそのようなことにならないように、普段からキチンとした帳簿を作るようにしましょう。
お問合せ
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